早稲田にある古書ソオダ水というお店で自著『さよなら、ほう、アウルわたしの水』を取り扱っていただくことになったご縁で、ときどきうかがうようになりました。
詩集を中心にした品揃えで安く出していらっしゃるのでつい合計金額が嵩みますが、眼福代も払うとと思えば後悔はありません。
先日は下の画像を購入。
名作である平岡篤頼先生の芥川賞候補作だった『消えた煙突』があったこと、敬愛する江代充さん、川田絢音さんの詩集を入手できたことはなによりうれしかったのでした。
それから、藤原安紀子さんから「カナリス」最新号を直接。いつもながらエレガントで粋をこらした造りに藤原さん、建畠晢さん、時里二郎さん、浜田優さんの作品がなっていて、その佇まいからして群を抜いているなあ、と毎回同じことを思って広げます。
こなごなのイカリ星で
年金手帳をぼろぼろに
したとしてわたしたち
存在があるわけもなく
炎の小ささが胸をさす
(「ロゼットの中身」藤原安紀子)
●すずみ
発語のシステムが壊れても
麦の言葉が穂先に残っている
不規則に飛び跳ねている子は
すずみを見たのだろうか
(「半島」時里二郎)
「カナリス」という雑誌に載る作家の作品は意味より先に語句から発するイメージが到着するように思う。
こんど自分のためにまとめてみたいと思います。
徒然です、どうかよしなに。